お人形展

平成28年9月2日〜11月初旬
 山形県内では、旧暦の4月3日に雛祭りが行われ、雛壇にはお雛様をはじめ、全てのお人形を飾る風習があります。その頃になると山形県はお雛様一色になり、「山形雛のみち」や「酒田雛街道」などのイベントが開催されます。雛菓子や雛膳などの食文化をも楽しむことができます。
 戦前、雛祭りには、高さ2メートル幅3間の雛壇にお雛様や雛道具のほか、からくり人形・市松人形・御所人形など全てのお人形を飾り、お祝いをしていましたが、戦後雛壇は半分になってしまいました。現在では、お雛様や雛道具の数々を雛壇やガラスケースに展示して、お祝いをしています。
 春にはお雛様を展示し、秋には重陽の節句と「後の雛」に合わせ、その他の市松人形・御所人形、並べると5メートルもの長さになる行列人形などを公開しています。
 野山が衣替えをする美しい季節、紅葉の景色とともに、みやびで愛らしい世界へと皆さまをお誘いします。





ピンクのロンパース
の赤ちゃん


市松人形
 


御所人形
 


押し絵小箱
 


「後の雛」

 江戸時代初期、五節句の一つである9月9日の重陽の節句(菊の節句)に「健康と長寿」の祈願と虫干しを兼ね、お雛様を飾る行事がありました。その際、長寿の薬効があるとされる菊の花を飾って邪気を祓い、花びらを浮かべた酒を酌み交わし長寿を願いお祝いしたと伝わります。
 この行事は、3月3日の節句に飾る雛に対して「後の雛」と言われ、年中行事や風俗・風習などについて詳細に記載されている『骨董集』の中にもあります。
後の雛(『骨董集』より)


 「三越」「松屋」デパートの箱もそのまま、ブロンズの髪にかわいいピンクのロンパースの赤ちゃん、水色のワンピースなどのアンティークドールもお楽しみいただけます。是非ご来邸ください。


大名行列
 


水色のステッキ
アンティークドール
 当邸と、旧別荘の本間美術館との共通入館券のご利用がおすすめです。
 この機会に童心にかえり、心と身体をリフレッシュさせてみてはいかがでしょう。皆さまのご来邸を心よりお待ち申し上げます。

 
「北前船でもたらされたお人形」

 酒田は、最上川の舟運と北前船の開運で栄えた湊町です。山形県で栽培された紅花や青苧(あおそ)が最上川を下り、酒田湊へ。その後、北前船で大坂・京都に運ばれます。そして製品となり、帰りの船で様々な物資と共に酒田へと還ってきます。その中にはお雛様や市松人形、土人形などのお人形もありました。
 京都の宮大工が建立した神社仏閣などの古建築。船底に重しとして積んできた諸国の銘石。陶器や漆器などの調度品。そして、言葉や食文化。こうした北前船にまつわる歴史や文化が、今なおこの街で大切にされ、色濃く残っています。
 これらはベストでもトップでもなく、「オンリーワン」の世界。
 私たちに何かを語り、魅了してくれます。「百聞は一見に如かず」。タイムカプセルのようなこの街で心豊かな時を過ごし、すてきなものを探してみませんか?
 
復元北前船「みちのく丸」


幕末に酒田土産として販売されていた
「酒田十景」
  


鳥海山と北前船


日和山眺望の図


本町通りの図




   
本間美術館本館「清遠閣」・庭園「鶴舞園」の秋の装い

 文化10年(1813)、本間光道(4代)が船の出入りの途絶える冬期間、丁持(ちょうもち;港湾労働者)の失業対策事業として造営しました。
 庭園「鶴舞園」は、国の名勝庭園に指定され、「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」でも2つ星をいただいております。鳥海山を借景として池泉回遊式庭園で、北前船で運ばれた佐渡の赤玉石や伊予の青石、北海道神居古潭(かむいこたん)石など、日本各地の銘石が配されています。春日燈籠や雪見燈籠のほか自然石を組み立てたものなど、様々な種類の燈籠や、石で滝の流れを表現している枯滝の石組など、趣深い景色が広がっています。ヤマモミジ・イロハカエデ・オオモミジなど、モミジの種類も豊富で、赤や黄色に衣替えをした木々とのコントラストをお楽しみいただけます。5ヶ所ほどのビューポイントがございますので、是非カメラを片手にお楽しみください。
 「清遠閣」の喫茶室では、「お庭焼」として誕生した本間焼の器で和菓子もお召し上がりいただけます。この季節ならではの、錦秋に輝く池や建物、「鶴舞園」の景色をご堪能ください。






 


四季折々の山海の幸が豊富で「食の都 庄内」と言われるほどです。
おいしい食をお楽しみいただき「ゆっくりのんびりの旅」をご提案いたします。  


:ハタハタの湯あげ いくら ワラサ(寒ブリ) アマダイ ノドグロ
 もって菊 いも煮 きのこ料理 庄内柿 梨  etc...


:鱈 だだみ(鱈の白子)の天ぷら どんがら汁 ヤリイカ そい ヒラメ
 アンコウやカニの鍋料理 干し柿 ラフランス  etc...



 素敵なお土産をお持ち帰りください。






<次回展覧会のご案内>

「時代を語るセピア色の世界」
11月初旬〜12月中旬


 本間美術館(旧本間家別荘)「清遠閣」・「鶴舞園」は、明治・大正・昭和と酒田の迎賓館として利用され、昭和天皇(東宮時代)のご行啓、各宮様、ヘレン・ケラー、たくさんの名士の方々をお迎えしてきました。御礼に頂戴した花器などの銀製品もご覧頂けます。昭和22年私立の美術館として全国に先駆け開館、来年70周年になります。美術展はもちろん、その他各流派の合同茶会、子ども三輪車大会など様々なイベントを行ってきました。
 本間家旧本邸は昭和24年から公民館として利用され、習字の発表会、ピアノ発表会、また保健所としても使用されました。「町と共に歩む」の理念のもと、歴史を刻んできています。
東京タワー、新幹線開通、横綱柏戸・大鵬、だっこちゃん、鉄腕アトムの大流行の頃、この町の風景やファッションと共に「時間旅行」を楽しんでみませんか。
 錦秋の季節の中、セピア色の世界へご案内します。