伝来された品々 事業と物語
―歴史と歩む―

平成28年7月14日(木)〜8月31日(水)


 本間家四代光道は、日吉丸など六隻の北前船を新造し、商いを継承発展させました。三代光丘の時代までは借りた船で商売をしていましたので、初めてのことです。文化五年(1808)には船場町に「新問屋」を開き、明治維新まで海運業においても活躍します。北前船の進水式の様子や祝いの料理のメニューを展示し、また、北前船で運ばれてきた花器や水指など、九谷焼、有田焼の器もお楽しみ下さい。
 光道は、荘内藩への献金・支援、植林、火防、公共事業なども行っています。文化十年(1813)冬期失業対策として本間家旧別荘(現・本間美術館「清遠閣」「鶴舞園」)を築造、文化十四年(1817)には港と市街をつなぎ、丁持達が荷物を運搬しやすいように石段(通称「神明坂」)を設置しています。現在では港が見渡せる日和山公園、日枝神社、光丘神社、光丘文庫へと通じ散策をお楽しみ頂けます。
 文政三年(1820)冬、渡船の所に氷が張った際には、旅人の安全を守るため厚板を設置しました。




 文化八年(1811)長崎・京都・金沢と全国各地より収集し、本に捺印する蔵書印を作成しました。代々が収集した数万冊の蔵書は、大正時代に設立された光丘文庫に寄贈されました。その後市立光丘文庫となりましたが、残念ながら老朽化により、今年の8月で91年間の幕を閉じます。まさに歴史と歩むということです。
 光道は常世田長翠を師とし、俳諧を広めています。長翠のために新庵を建て、その家族を住まわせました。庵ではたくさんの人々が学び、春秋庵の伝統を継承しました。




 「町と共に歩む」という理念のもと、人々が安全で心豊かに暮らせるように、公共事業、学問・文学の普及など色々な事業を確実に実践しています。今尚、町を歩けば光道の足跡を至る所で見ることが出来ます。
 北前船の交流でもたらされたものにお雛様、からくり人形などのお人形、食籠・料紙箱・硯箱などの漆器、また京都から伝わったうどんのあんかけ、ごま豆腐のあんかけ料理、たまご寒天、むきそば、そして丸餅など、食文化もご笑味下さい。
 今年、光道没後190年。「百聞は一見に如かず」、この夏、この悠久の文化からすてきなものを発見できますようお手伝いさせて頂きます。
 ゆっくりお時間をお取り頂き、ご来邸ください。心よりお待ち申し上げます。



四季折々の山海の幸が豊富で「食の都庄内」と言われるほどです。お食事処やレストランでご堪能下さい!


「ふるさとの味覚」


 :天然岩牡蠣 鮑のステーキ 口細カレイ のどぐろ 鮎 だだちゃ豆 メロン etc...

 :ハタハタの湯あげ いくら ワラサ(寒ブリ) アマダイ ノドグロ もって菊

  いも煮 きのこ料理 庄内柿 梨 etc...






素敵なお土産をお持ち帰りください。



<次回展覧会のご案内>

「お人形展」

9月初旬〜11月初旬

 山形県内では旧暦の4月3日に雛祭りが行われ、雛壇にはお雛様、その他御所人形、土人形など全てのお人形を飾る風習があります。長く厳しい冬を越え、暖かな春の喜びを感じます。
 昔の行事には、季節の良い時期に虫干しを兼ねて再びお雛様を飾る「後の雛」「重陽の節句」があります。春、子供の健やかな成長を祝う「雛祭り」に対し、秋、健康と長寿を祈る節句「後の雛」だそうです。この行事に合わせ、お雛様の時飾らなかった御所人形、並べると5メートルにもなる行列人形を公開します。愛らしいお人形の世界にお誘いします。
 山々が衣替えの季節、あなただけのお人形を見つけてみてはいかがでしょうか。皆様お誘い合わせの上、ご来邸下さい。